1
雁喰い豆はたっぷりの水に浸し、半日~一晩おいてもどす。
年の瀬~お正月用に、縁起物の雁喰い豆を使ってお雑煮を作ってみました。岩手県在来種の「雁喰い豆」は、吉兆を招く雁が平べったい豆の表面をついばんだようにシワが寄っていることから、その名がついたとか。年越しやお祝い事に使われる雁喰い豆と、縁結びに通じる「結び三つ葉」を併せた縁起物のお雑煮。島根県石見地方の黒豆雑煮にならい、醤油の風味香る出汁でまとめました。
せっかくなら上質の出汁を使いたくて、「だし工房 宗達」さんで教わった利尻昆布+まぐろ節の合わせ出汁を引いてみました。出汁の香りと柚子の風味、お餅の焼き目が放つほんのりとした芳ばしさが何とも言えません。雁喰い豆にも薄い醤油味を含ませることで、噛んだときの味わいに。すまし仕立てのお雑煮に鮭色と三つ葉の緑、雁喰い豆の黒い粒が引き締め役です。
豆・豆料理探検家。豆・豆料理アドバイザー。福岡県生まれ、京都市在住。豆の生産者や料理人、飲食店、販売店を訪ね歩き、話しを聞くことを楽しみとする。「一豆三味」を提唱し、豆料理の楽しさを伝えている。「豆なブログ」執筆中。
雁喰い豆 | 茹で上がり大さじ2~3 |
餅 | 2~4個 |
炙りサーモン | 2~4切 |
三つ葉 | 4本 |
ゆずの皮 | 少し |
だし汁 | 400~500ml |
薄口醤油 | 小さじ1/2~ |
雁喰い豆はたっぷりの水に浸し、半日~一晩おいてもどす。
豆のもどし汁ごと鉄鍋に入れ、豆を煮る。キッチンペーパーの中心部に切り目を入れ、落とし蓋替わりに使うとムラなく煮え、アクとりにも。差し湯をしながら弱火で40~60分。煮上がったら醤油少々(分量外)を加えて置いておく。
出汁を引く。盛り付け前に温め、香りづけに醤油を加える。
餅を両面ほんのり焦げ目がつくくらいに焼く。
三つ葉の軸だけを湯に浸し、2本どりで結び三つ葉にする。ゆずは、へぎ柚子に。
餅が焼けたら盛りつける。雁喰い豆は餅が動かないよう敷石替わりに椀の下に忍ばせ、その上に餅、炙りサーモン、雁喰い豆、三つ葉、ゆずをおき、出汁を椀の縁から回しかける。