こんにちは、朝市店店長です。
味噌は一年中作れますが、暑い時期に作ると
発酵が早く進みすぎたり、傷みやすくカビが生えやすいなど、
初めて作る方には向きません。
11月~5月くらいまでに仕込むと簡単なんです!
大豆・こうじ・塩のたった3つの材料で出来る
優秀な発酵食品である味噌。
今年はぜひ手作りしてみませんか?
手作り味噌の作り方
材料の割合
乾燥大豆を1とし、生こうじ1、塩0.5
が目安です。
多少の増減があっても大丈夫ですが、極端に割合が
変わるとうまく発酵できない事も。
今回用意した量は
・大豆(朝市で人気のミヤギシロメ)400g
・はらだのこうじ400g(1枚)
・塩(伊達の旨塩)200g
大豆1kgで仕込む場合は
・大豆1kg
・生こうじ1kg
(当店の生こうじ、はらだのこうじが1つ400gなので2つの800g~3つの1200g)
・塩500g ・・・・と言った具合です。
容器、器具など(乾燥大豆を1kgとした場合)
・豆を煮る鍋:6Lから9L用、大きい方がふきこぼれず安心です。
・ボウル:3つくらい用意、上記同様大きい方が散らかりにくく作業がしやすい。
・ザル
・おたま、マッシャー
・ラップ
・食品用消毒液:アルコール度数30度前後のホワイトリカーを
スプレーボトルに移し替えて消毒液代わりとして使えます。
・薄手のゴム手袋
・仕込んだ味噌を入れる容器:約6L用、半年程寝かせておくので、
塩に負けない光を通さないものが良い。ホームセンターなどでも入手できる
漬物用のポリエチレン製のものがおすすめです。浅く平たいものより
深さのあるものが良い。
①大豆はやさしく水洗いし、豆の3~4倍の水に約半日浸します。
(煮る鍋で用意すると楽チンです)
②豆が2倍くらいの大きさに戻ったら、浸した水で煮ます。
初めは強火で煮て、アクが出たらすくいとり、沸騰したら
中火~弱火程で煮ます。
煮汁が減ったらその分の水(お湯)を足し、豆が常に
浸っている水位を保ちます。
途中アクが出たらすくい取るので、フタはしなくてもOKです。
こがさないよう時々底の方からかきまぜます。
③大豆が柔らかくなるまで、火加減にもよりますが4~6時間程度。
目安として親指と小指で豆をはさみ、軽くつぶれるくらいまでじっくり煮ます。
-ここまでは仕込みの前日までに用意して大丈夫です-
④大豆が柔らかくなったらザルにあげて豆と煮汁に分けます。
仕込む前日に豆を煮た場合は、もう一度火を入れて温めると
つぶしやすい。
煮汁は200~500cc程とっておいて下さい。
⑤大きめのボウルに豆を移し、マッシャー等でつぶします。
(ボウル、マッシャーは消毒)
ここでウラ技!
チャック付きの袋に入れて空気を抜き気味にし、口をしっかり閉じて
その上からつぶせばマッシャーいらず。少し熱いので気を付けて。
袋の中も消毒です。
大変なので少量づつにわけてつぶしてもOK。
つぶし加減の目安は、大豆の大きい粒がなくなりなめらかな
感じになればOK。多少の粒の大きさはご愛嬌!
⑥塩切り
つぶした豆が人肌に冷めるまでの間、消毒した別のボウルでこうじと塩を
あわせる「塩切り」をします。
※塩は分量から20~30g別にしておきます。(あとで使いますヨ)
手ふくろをつけた上から手も消毒すると良い。
こうじをパラパラにほぐし、塩と一緒にすくい上げる
ようにしてよく混ぜ合わせます。
こうじ 白いふわふわがこうじ菌です
パラパラにしたこうじ
塩は20~30g別にしておきます
こうじに塩を混ぜます
塩と一緒に掬い上げるようにしてよく混ぜ合わせます。
塩切りこうじ完成
⑦⑤の潰した豆が人肌程度に冷めたら⑥とまんべんなく
混ぜ合わせます。(熱いうちに混ぜ合わせるとこうじ菌が
死んで発酵しなくなるためです)
塩切りこうじと潰した大豆
手袋で混ぜます
ある程度まとまったら、とっておいた煮汁を少しづつ
加えてもう一度まとめます。
煮汁を足す目安は丸めて味噌玉を作り、握ってみて
指の間から”にゅるっ”と出るくらい、ボウルなどに
打ちつけてみて、ペタッとひっつき周りがヒビ割れていない
程度に足します。
多すぎると傷みますので、ホントに少しづつ様子をみて
煮汁を足して下さい。
煮汁を加えてまとめます
味噌玉
打ちつけてみる
⑧保管用の容器を消毒します。
キッチンペーパーなどに吹きかけてしめらせたり
などして、容器のフチやみぞ、など、こまかいところも
忘れずに消毒して下さい。
⑦を野球ボール大(味噌玉)にまとめ、容器のそこにたたきつける
ように埋めていきます。
空気が入らないようにするためですが、上手く行かなければ
手でギュッギュッと押しながら入れていっても構いません。
底のふちから真ん中へ~2段目へという感じです。
さあ!もうひとがんばりです!!
⑨容器に味噌玉が全部入ったら、さらに手の平やゲンコツで
押してしっかり空気を抜きつつ表面を平にならして
きっちり詰めましょう。
⑩容器の内側についた汚れを消毒液でしめらせた
キッチンペーパーできれいに拭き取ります。
※汚れがついたままだとカビの原因になります!
⑪詰めた味噌のふちに④で別にしておいた塩1/3量程度をうすく振り
さらに味噌の表面にぴったりとラップをかぶせ(味噌とラップを
密着させる)ラップの上からふち周り→中と表面を埋めるように
塩を振ります。塩が重しがわりとなって、ラップが密着し、カビを防ぎます。
塩を振ります
ラップをかぶせて出来上がり
⑫消毒したフタをし、⑪を日中(可能なら年間)通して温度変化の
少なく直射日光の当たらない所に置いて熟成させます。
冷蔵庫は温度が低すぎ、発酵できない事もあるので不向きです。
仕込みはこれでおわり!
3ヶ月じっくり待ちましょう!!
3ヶ月後
天地返しをします。
仕込みから出来上がりまでの期間の中間で天地返しをします。
最短で5~6ヶ月で食べられますので、3ヶ月後となります。
1年じっくり熟成させる時は、中2~3回天地返しを
すると状態がわかり良いと思います。
消毒した木ベラ等で下から上へ、まんべんなく
上下混ぜ合わせて下さい。
天地返しの目的は熟成の状態を見る為はもちろん
他に塩分を均一にし発酵する時に発生したガスを
抜く為にも行います。
また空気に触れさせることで新たな酸素補給します。
こうじ菌の活動を促し、さらに美味しい味噌にするためです。
天地返し終了後は⑧~⑫の手順を行い保管してください。
カビが!!
天地返しの際、もしもカビが生えていても焦らずに!
取り除けばちゃんと食べられます。
消毒したスプーン等でカビの生えているところをカビの周囲の
味噌ごと少し多め(深め)にえぐり取って下さい。
あとは平らにならし、⑩~⑫の手順で行い保管して下さい。
カビは空気に触れる部分に生えやすいので、消毒を行い
しっかり密閉して下さい。
半年後
ついに食べ頃です!!
全体をよく混ぜ合わせ、使う分だけ別の容器に小分けし冷蔵庫へ。
残りは表面をならし新しいラップを密着させ、フタをして
涼しい所で保管して下さい。
1年2年と置いておくと熟成された赤味噌になっていきます。
あまりススメたくなければ冷蔵庫保存がいいでしょう。
市販のものよりは少々高くつくかもしれませんが、無添加のうえ、
おいしい手作り味噌は本当に衰えない人気があります。
ずいぶん長くなりましたが、難しい工程はないと思います。
朝市店ではご質問にお答えしたり、今回の作り方と
同じようなレシピも差し上げています。
少量からでも今年はぜひチャレンジして見ませんか?!
次回「天地返し」は6月に公開です