こんにちは。朝市店、店長です。
新物の黒豆が出て店頭に並ぶと、
「新しいのが出たんだね!」と、老若男女問わず大人気の黒豆。
同時に、黒豆をお買い求めの方からよくあるご質問が、
「黒くならない」「色が抜ける」というもの。
豆の煮方、とくに黒豆の甘煮には沢山のレシピがありますが、
すずやでは、煮上がったら冷まして、また火を入れる、冷ます。
を、数回繰り返すことにより黒色が豆に定着する、
という少々時間はかかりますが、失敗の少ない煮方のご提案をしています。
「黒豆+サビ鉄」
黒豆の煮方のレシピで、重曹やサビ釘の用意というのを
見かけませんか?
重曹は豆を柔らかくする為ですが、今は新豆で煮えやすい
ので使わなくてもいいと思います。
さて、「さび鉄」。
『釘をさびさせたものを10本前後用意し、布や
お茶パックなどに包んで黒豆と一緒に煮る』のですが
それはくぎ(釘)のさびの成分と黒豆から水に溶け
出した色素、アントシアニンが結合し、きれいな黒色になる為です。
しかし、さびくぎを使うと良いとはいえ、くぎ自体持っている方も
少ないため、このアドバイスはなかなか難しかったのですが…。
「鉄まめ君」
朝市店では、南部鉄でできている「鉄まめ君」という商品を仕入れ、
販売しています。スタッフが見つけ、お客様におすすめしたらどうか?
と提案してくれました。
とってもかわいらしいネーミングに姿(?)、そして働き(?)に
私もひとめぼれ。実際に使用してみると違いは歴然です。
食塩水で3日くらいかけて錆びさせたものを
よく洗って布やお茶パックにくるんで使います。
※今回は解り易いよう、錆びさせた後、
よく洗ったものをそのまま使用します。
鍋に豆と水、鉄まめ君を入れ、半日。
さび鉄との反応で、水も墨黒のような色合い。
そのまま火にかけ、アクを取り除きながら、途中ゆで汁が
減ったら差し水をし、お好みの柔らかさまで煮ます。
甘煮にするときは、かための段階から3~4回に分けて
砂糖を加えて下さい。
煮上がって冷ました黒豆を再び火にかけ沸いたら
火を止め冷まし…を2~3回繰り返すと黒色が
定着します。
出来上がり!比較のために未使用でも煮てみました。
左がサビ鉄使用、右が未使用です。
差は歴然!おそるべし鉄の力!フシギおもしろい!!
※試しに、煮上がったものに鉄まめ君を入れ加熱して
みましたが、うんともすんとも言わず…。(味はもちろん美味ですが。)
鉄まめ君を入れる順番も大事です!
ぜひ一度試してみてくださいね 。
豆は甘く味付けしなければスープやサラダに加えたり、
お料理のアレンジも広がります。
ただし水煮は傷みやすいので、使いきれないときは
冷蔵ではなく小分け等にして冷凍保存がおすすめです。
黒豆水煮とチーズのオリーブオイル和え